毎日のデスクワークでマウス操作やタイピングを繰り返したり、

日々の家事やスポーツをしたり、手指を酷使することで発症する「腱鞘炎」。

よく耳にする疾患名ですが、

詳しいことはよくわからないという方も少なくないかもしれません。

そこで今回は

について解説したいと思います。

骨と筋肉の接合部を「腱（けん）」といいますが、

手や足の腱のまわりで刀のさやのように腱を包み込んでいるのが「腱鞘（けんしょう）」です。

私たちの手や足は、この腱鞘のおかげでスムーズに曲げ伸ばしができるのですが、

腱鞘と腱に摩擦が起きてしまい、炎症を起こして痛んでくるのが「腱鞘炎」です。

腱鞘炎は足首や指の関節にも起こりますが、手首が一番起こりやすいと言われています。

腱鞘炎が起こる原因は、ズバリ「手指の使いすぎ」です。

手指の使いすぎにより、指や手首の関節に痛みが生じます。

手の腱は、腱鞘の中でスムーズに動いていますが、

手を使いすぎることで腱と腱鞘の間で摩擦が生じ、炎症が起こります。

このとき、手を使わないようにすれば炎症は引いていきますが、

日常生活ではなかなかそうもいかないもの。

使い続けると炎症は収まらず、痛みも強くなってきます。

腱鞘炎が進行すると、「ばね指」が起きます。

腱がひっかかってしまい、縮んだばねのように指が開かなくなるのです。

ばね指では手のひら側が痛むことが多く、

こぶしを握って手を開くと、カクっと遅れて伸びるような状態になります。

ばね指は、親指が最もなりやすく、中指や薬指が続きます。

重症になると、自力で指を伸ばすことができなくなってしまいます。

指を伸ばす側の腱鞘炎もあり、親指の付け根の「ドケルバン病」が多くみられます。

ドケルバン病は、親指を他の指で握った状態で小指側に手首を曲げたときに痛みがあり、

親指を伸ばしたり開いたりしにくくなります。

腱鞘炎は手指の使いすぎで起こることから、

・パソコンのキーボードやマウスなどを繰り返し操作する人

・スマートフォンを長時間操作する人

・ピアノなど指を多く使う楽器を演奏する人

・筆耕などで文字を書く人

・テニスやゴルフなどのスポーツをする人

など、手指をよく使う人に起こりやすいと言われています。

また、女性ホルモンの影響もあると考えられており、

更年期以降の女性や妊娠・出産期の女性も腱鞘炎を起こしやすいそうです。

さらに、腱鞘炎は

・糖尿病の人

・人工透析を受けている人

・関節リウマチの人

にも起こりやすくなります。

とくに、糖尿病のある人は末梢の血液が滞ったり、炎症が治りにくかったりという理由で

腱鞘炎を起こしやすくなると考えられています。

腱鞘炎は手指の使いすぎが原因で起こるので、

パソコン作業やスポーツをする際にはこまめに休憩を挟むなど、

手指を使いすぎないことが予防の第一歩です。

それでも手指が痛んだり、腫れたり、熱をもったりなど、

腱鞘炎かな？と思ったら、なるべく動かさないように注意しましょう。

初期の炎症に対しては湿布や氷などで冷やすのも効果的です。

また、テーピングやサポーターも指の安静になり有効です。

このように、腱鞘炎の処置としては

テーピングやサポーター、湿布で様子をみるのが一般的ですが、

痛みは多少改善しても、根本的な改善にはつながらないケースも多いです。

私たちの身体はさまざまな箇所が連動して動くので、

首の歪みや股関節、骨盤の歪みまでもが腱鞘炎に影響を及ぼすことも。

腱鞘炎になって、サポーターや湿布をしてみたけどなかなか治らない……

という方は、一度整体に行ってみるのを検討してはいかがでしょうか？

腱鞘炎の方には骨格の歪みがみられることが多いそうです。

骨格が歪んでいると、その骨についている筋肉は引っ張られ、

二の腕や指先、そして前腕が緊張状態となり、その結果、手首の関節が硬くなります。

整体では、この骨格の歪みを改善し、

身体全体のバランスを整えることで腱鞘炎をケアしていきます。

身体全体の歪みを調整してもらえるので、手指だけでなく、首や肩まで楽になるというメリットも。

このように、腱鞘炎には身体のバランスを整える整体の施術にも効果が期待できます。

それでも改善しない場合は、専門機関への受診をおすすめします。

今回は腱鞘炎が整体で解消できるのかをまとめました。

・「腱鞘炎」は、腱と腱鞘の摩擦による炎症を起こす疾患。

・腱鞘炎は、手指の使いすぎが原因で起こる。

・腱鞘炎は、手指をよく使う人のほか、更年期や糖尿病などの人にもよく起きる。

・整体で骨格の歪みをとることで、腱鞘炎の症状の改善につながる。

この4つがこの記事のポイントです。

腱鞘炎は、ピアノを弾いたりスポーツをしたりする人だけでなく、

いわゆる現代病のひとつになってきているのかもしれません。

手指を使いすぎには気を付けたいですが、

気になる症状があった場合は早めにケアするようにしましょう！