脊柱管狭窄症と運動不足はどう関係しているのでしょうか?
そこで今回は
について解説していきます。
●脊柱管狭窄症とは?
中高年男性に多い脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)は、
神経をおさめている脊柱管の内面が、椎間板や椎間関節で狭くなってしまった状態をいいます。
簡単に言い換えると「椎間板ヘルニアのなれの果ての状態」です。
また、脊柱管狭窄症は、
上下の背骨がずれる「脊椎すべり症」で脊柱管が狭くなった場合にもありえます。
神経および神経周辺の血管も圧迫されてしまうため、
少しの距離を歩くだけでも痛みやしびれで立ち止まり、
休憩しなければ次に進むことができない「間歇跛行(かんけつはこう)」が起こります。
しゃがんだり前屈したりすることで、
血管や神経の圧迫がほどけ、しばらくの間歩けるようになります。
脊柱管狭窄症のおもな症状としては
・立ったり歩いたりするときの坐骨神経痛やしびれが強くなる
・座ったり、しゃがんだりすると楽になる
・カートを押すなどの前かがみの姿勢をとると歩くのが楽になる
などが挙げられます。
●脊柱管狭窄症と運動不足の関係
脊柱管狭窄症は加齢にともなって増加しますが、どんな人にも発症するわけではなく、
40~50代からの生活習慣や運動習慣、正しい姿勢などが重要だと考えられています。
私たちの脊柱管は加齢で急に狭くなるわけではありません。
多くは長年の姿勢のクセや日ごろの腰への負担などからだんだん狭くなっていきます。
そのため、脊柱管狭窄症の予防にもっとも効果があるのが、運動の習慣を身につけること。
背骨を本来あるべき状態でキープするには筋力が不可欠なため、
日常生活の中でできるエクササイズが効果的です。
運動不足は身体を支える筋肉や靱帯が衰え、骨への負担が増加します。
極端に腰への負荷がかかる運動以外なら、どんな運動でも問題ありませんし、
とくに有酸素運動のウォーキングは非常に効果的です。
ウォーキングの際は歩幅を大きくして、ふくらはぎをしっかり伸ばして歩くように意識しましょう。
また、ストレッチで筋肉をほぐす習慣とあわせて、
自転車こぎや軽いスクワット、体幹トレーニングなど足腰を強くするエクササイズもおすすめ。
ふだんから運動習慣を身につけることで、
脊柱管狭窄症だけでなく、生活習慣病や高齢者にとって危険な筋力の低下である
「サルコペニア」を防ぐことにもつながります。
無理のない範囲でのエクササイズで、筋力アップにトライしてみましょう。
●効果的な筋トレのやり方
脊柱管狭窄症の改善や予防には筋力アップが大事なカギ。
これには筋トレが非常に有効で、
とくに脊柱管狭窄症の特徴的な症状「間欠跛行」が改善されるケースが多くみられます。
筋トレを行うことで筋力低下を食い止め、
さらに筋力アップができれば痛みの改善にもつながります。
ここでは、最も代表的な筋トレのひとつ「スクワット」のやり方を説明します。
1)つま先をやや外へ向け、肩幅くらいに足を広げて立つ。
2)太ももの筋肉が緊張しているのを意識しながら、ひざを少しずつ曲げる。
3)足と同じ方向にひざを向け、ゆっくりとしゃがむ。
4)太ももの筋肉の力が完全に抜ける姿勢まではしゃがまずに、その手前で止める。
5)できるだけ速く、一気に立ち上がる。ただし、ひざが伸び切る手前で止め、1)に戻る。
※1回につき10セット程度くり返して行う
スクワットは、身体の中でも大きな筋肉を動かす運動です。
その際に、主要な筋肉以外の筋肉群も同時に使うため、
まさに全身の筋肉を鍛える運動なのです。
筋トレは、続けることで効果がきちんと出ることが多いです。
続けていくことで「昨日できなかったことが今日はできた!」ということもあり
モチベーションにもつながるはず。
無理のない範囲でチャレンジしてみましょう!
●まとめ:脊柱管狭窄症と運動不足はどう関係しているの?
今回は脊柱管狭窄症と運動不足の関係について解説しました。
ポイントは次の3つです。
・脊柱管狭窄症は、脊柱管の内面が椎間板や椎間関節で狭くなってしまった状態をいう
・運動不足は身体を支える筋肉や靱帯が衰えるため、脊柱管狭窄症の悪化をまねきやすい
・筋トレで筋力低下を食い止め、さらに筋力アップができれば痛みの改善にもつながる。
毎日のスクワットはなかなか大変かもしれませんが、
いきなり10セットにチャレンジするのではなく、少しずつ回数を増やしていくのがおすすめ。
なにごとも無理なく、毎日続けることを大事にして筋トレにチャレンジしてみてくださいね。