腰椎椎間板ヘルニアは腰に関係する病気というイメージはあっても、具体的な症状などはわからないという方も多いですよね。
腰椎椎間板ヘルニアは腰痛以外の症状もあり、進行すると手術をしないと治らないともいわれていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
どのような症状があるのか、どうすれば悪化を防げるのかなど、ぜひ知っておきたいものです。
そこで今回は、
について解説していきます。
●腰椎椎間板ヘルニアとは?
腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎(ようつい)で起こる椎間板(ついかんばん)ヘルニアのこと。
脊椎(せきつい)には24個の椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨があり、私たちの体を支えたり、動かしたり、神経を保護するなどの役割を担っています。
首の部分にある7個の頸椎(けいつい)、胸の部分にある12個の胸椎(きょうつい)、そして腰の部分にある5個の腰椎で形成されていて、椎骨と椎骨の間にはクッションのような働きをしてくれる椎間板があります。
ヘルニアとは、組織などの一部が飛び出してしまうことをいいます。
椎間板ヘルニアは、椎間板が飛び出してしまった状態。
腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎にある椎間板が、何らかの原因ではみ出してしまうもの。
脊椎の中には神経が通っているため、ヘルニアによって神経が圧迫され、痛みやしびれなどが生じる病気なのです。
●腰椎椎間板ヘルニアの症状について
腰椎椎間板ヘルニアになると、どのような症状がでるのでしょうか?
腰椎は第1腰椎から第5腰椎まであり、その骨の間にある椎間板が飛び出してしまうと、脊椎を通る神経を圧迫して痛みやしびれなどの症状がでます。
腰痛に加え、足の痛みやしびれがある場合は注意が必要です。
ヘルニアが起こった場所によって、痛みやしびれが出る場所は異なります。
腰椎の場合は、お尻や足にかけての痛みやしびれが起こることが多いです。
お尻から足先にかけて坐骨神経が通っているため、ヘルニアによって神経が圧迫されると坐骨神経痛が起こるのです。
椅子に座ったとき、体を前かがみにしたときに痛みやしびれが強まるのが特徴です。
神経への圧迫が強くなると、運動障害や歩行困難、排便や排尿困難といった症状がでることもあります。
●腰椎椎間板ヘルニアになってしまう原因は?
腰椎椎間板ヘルニアになってしまう原因は何なのでしょうか?
椎間板の中心には髄核(ずいかく)というゼリー状の組織があり、その周りを取り囲むように線維輪(せんいりん)というコラーゲンの線維があります。
線維輪から髄核が飛び出してしまった状態がヘルニアです。
腰椎椎間板ヘルニアになる主な原因は、腰椎の椎間板への強い圧迫です。
重いものを持ち上げる動作や、体をひねったり曲げたりする動作は、腰への負荷が大きく椎間板を圧迫してしまいます。
また、加齢により椎間板が老化して髄核が飛び出しやすくなることも。
喫煙もリスクを高めるといわれています。
●腰椎椎間板ヘルニアの症状の進行について
腰椎椎間板ヘルニアの症状は、徐々に進行してしまうものなのでしょうか?
初期の頃は症状も軽く、体を曲げた姿勢が辛く感じたり、足の感覚に違和感を覚えたりすることはあっても、痛みはまだ強くありません。
しかし、神経の圧迫が強くなってくると、痛みも強くなり、しびれもひどくなります。
人によっては、激痛で夜も眠れなくなったり、歩けなくなったりするほど症状が進行してしまうこともあります。
症状の出方も強さも人によってさまざまですが、明らかに症状が悪化しているときは、放置しないようにしましょう。
●腰椎椎間板ヘルニアの症状に対する治療方法について
腰椎椎間板ヘルニアの症状に対する治療方法には、どのようなものがあるのでしょうか?
最終的には手術をするか、手術をしないかの2択になりますが、まずは症状を悪化させないために安静を心がけることが何よりの治療と考え、保存療法がすすめられます。
筋肉のコリがあるときは温熱療法や温湿布などを、炎症がある場合は冷湿布を使うこともありますが、椎間板ヘルニアの痛みやしびれを緩和するものではありません。
痛みに対する対処療法としては、飲み薬とブロック注射の2通りの投薬療法があります。
ブロック注射はいわば局所麻酔です。直接神経根に麻酔をすることで、痛みを感じなくさせるものです。効く人もいれば、ほとんど効果がない人もいるようです。
腰椎椎間板ヘルニアの8割以上は、3ヵ月~半年くらいの間に自然治癒するといわれているため、まずは保存療法で経過をみるのが一般的です。
しかし、耐えられないような痛みや足の麻痺、尿や便がでにくくなるなどの症状が出てきた場合は要注意。早めに受診するようにしましょう。
●整体で腰椎椎間板ヘルニアの症状緩和はできる?
腰椎椎間板ヘルニアの症状は、整体で緩和できるのでしょうか?
腰椎椎間板ヘルニアによって起こるのは、腰痛や坐骨神経痛による痛みや足のしびれです。
痛みやしびれの原因である神経への刺激を抑えるためには、安静が何よりも大切。
それと同時に、日常生活での腰椎の負担を減らすことも大切です。
日常的に行っている動作の癖により、知らず知らずのうちに背骨や骨盤が歪んだり、筋肉や筋膜が硬くなったり、ねじれたりすることがあります。
この歪みや硬化、ねじれなどが腰椎に負担をかけ、坐骨神経を圧迫すると、腰椎椎間板ヘルニアを発症してしまいます。
整体は痛みの原因を明らかにした上で骨格の歪みを整えていきます。
そのため、症状が緩和することも十分考えられるでしょう。
●まとめ:腰椎椎間板ヘルニアの症状について!腰椎椎間板ヘルニアの原因や整体での改善について解説!
腰椎の椎間板が飛び出し、坐骨神経を圧迫することで、腰痛や足の痛みやしびれといった症状が起こるのが腰椎椎間板ヘルニアです。
原因は腰への急激、または慢性的な負担など。
多くは自然治癒するといわれているため、まずは保存療法がとられます。
しかし、症状が進行して歩行困難や排尿、排便困難になるケースもあり、その場合は手術が検討されます。
腰椎への負担は、日頃の動作の癖や骨格の歪みが影響していることも多いもの。
整体で体を整えることが症状の緩和につながるケースも少なくありません。
症状が悪化する前に整体で体を整えてみるのも、改善策の一つといえるでしょう。