腰痛を引き起こす仕事とライフスタイルを徹底見直し!根本から整える10の対策法

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腰痛を引き起こす仕事とライフスタイルを徹底見直し!根本から整える10の対策法
立松 栄二

ブログ著者:立松 栄二

来院総数のべ12万人超え、世界レベルのトレーナーも推薦する整体サロン院長
国家資格保持(鍼灸師)

 

腰痛は、もはや「一部の人の悩み」ではありません。厚生労働省の調査によれば、日本人の約8割が一生のうちに一度は腰痛を経験するとされています。特に働き盛りの30代〜50代では、腰痛が原因で仕事のパフォーマンスが下がったり、最悪の場合は休職や離職に至るケースもあるほど深刻な問題です。

では、なぜ腰痛はこれほどまでに身近なトラブルとなっているのでしょうか?その答えは、「仕事」と「ライフスタイル」の中に隠れています。デスクワーク、立ち仕事、長時間の運転、重いものを持ち上げる作業など、私たちの働き方は腰に大きな負担をかけています。そしてその影響は、職場だけでなく家庭やプライベートな時間にも及び、慢性的な不調や不安感へとつながっていきます。

近年では、在宅勤務やハイブリッドワークの普及により、オフィスとは異なる環境での仕事が当たり前になりつつありますが、同時に「椅子の質が悪い」「ダイニングテーブルで作業している」「ベッドの上でノートPC」など、本来想定されていない環境で長時間作業することで、腰への負荷はますます増加傾向にあります。

一方で、腰痛は「体の構造的な問題」だけでなく、日々の姿勢、呼吸法、体の使い方、ストレスの蓄積など、さまざまな要素が複雑に絡み合って発生するものです。そのため、単にマッサージや湿布だけで解決しようとしても、根本的な改善にはつながらないことが多いのです。

本記事では、「腰痛を起こしやすい仕事・ライフスタイル」に注目し、働き方や日常生活を見直すための具体的なポイントを10の視点からご紹介します。オフィス勤務、工場作業、医療・福祉、運送業、そして在宅勤務など、どんな働き方の人にも役立つヒントを網羅し、あなたの腰を守るための実践的な知識をお届けします。

腰痛は「仕事のせい」「年齢のせい」で片付けるのではなく、自らの習慣を少しずつ変えることで、予防・改善が可能です。さあ今こそ、自分の働き方とライフスタイルを見直して、腰の負担を軽減し、快適で健やかな毎日を取り戻しましょう。

目次
1. 腰に負担をかける仕事とは?
2. 長時間同じ姿勢が続く環境のリスク
3. 立ち仕事で気をつけるポイント
4. デスクワークと腰痛の深い関係
5. 整体でリセットされる体の状態
6. 働き方別・腰痛対策アイテムの活用法
7. 在宅勤務での正しい姿勢とは?
8. 通勤や移動時の体の使い方を見直そう
9. 短時間でもできるケア習慣の導入法
10. ライフスタイルを軸にした予防対策

1. 腰に負担をかける仕事とは?

腰に負担をかける仕事は想像以上に多く、しかもその多くが日常的で「気づかぬうちに腰を痛めている」ケースが少なくありません。腰痛は厚生労働省の調査でも常に上位にランクインする労働災害の一つであり、予防と対策の必要性が広く認識されています。

まず、腰に最も負担がかかりやすい仕事として代表的なのが「重量物の運搬を伴う職種」です。倉庫業、引越し作業員、建設現場作業員などは、日常的に重い荷物を持ち上げたり運搬したりする必要があります。これらの作業では、正しい姿勢を守らずに荷物を持ち上げた場合、腰部の椎間板に強い圧力がかかり、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアなどの急性腰痛につながるリスクが高まります。

次に、意外に見落とされがちなのが「介護職」です。利用者をベッドから車椅子へ移乗させる、入浴や排泄の介助を行うなど、腰に過度な負担をかける動作が多く存在します。日本の介護従事者の約6割が、業務中に腰痛を経験しているという報告もあり、職業病として認識されています。

重要なのは、「腰を酷使しているという自覚」があるかどうかです。腰に負担をかける仕事をしていると感じていない人ほど、慢性的な腰痛を放置しがちで、結果的に症状を悪化させてしまうリスクがあります。どんな業種であれ、「自分の仕事は腰にどのような影響を与えているか」を客観的に見直すことが、腰痛予防の第一歩となります。

このように、腰に負担をかける仕事は決して特別な業種だけではなく、日常の姿勢や動作の積み重ねによっても起こります。まずは自分の業務内容や環境を冷静に分析し、「腰を守る動作」に変えていく意識が、慢性腰痛の回避につながります。

2. 長時間同じ姿勢が続く環境のリスク

長時間同じ姿勢を保ち続けることは、腰にとって非常に大きなストレスとなります。現代社会においては、デスクワークや運転業務、工場での立ち作業など、同一姿勢を長時間続けるシチュエーションがあふれており、これが腰痛の増加に拍車をかけている大きな要因となっています。

人体は本来、動かすことで血流が促進され、筋肉や関節に栄養と酸素が行き渡るよう設計されています。しかし、長時間同じ姿勢をとっていると、血行が滞り、筋肉が硬直してしまいます。とくに腰部に位置する「腰方形筋」や「多裂筋」は姿勢保持に深く関わっており、長時間の座位や立位で負荷が集中しやすく、筋肉の疲労が蓄積されていきます。

一方で、立ち仕事でもリスクは同様です。一定の場所で立ちっぱなしになると、下半身の血流が悪くなり、腰にかかる体重の分散がうまくいかなくなります。また、作業台の高さが合っていない場合には、無意識のうちに前かがみの姿勢になり、それが腰の筋肉に大きな負荷を与えます。

長時間同一姿勢を取らざるを得ない環境では、「姿勢を意識して変える工夫」が必要です。たとえば、30分に1回は立ち上がって軽く体を伸ばす、深呼吸を取り入れる、膝を軽く曲げるなど、体を動かすきっかけを日常的に取り入れるだけでも、血流改善と筋肉の緊張緩和に効果があります。

慢性的な腰痛に悩んでいる人の多くが、「姿勢の固定化」が原因であることに気づいていません。同じ姿勢を続けるリスクを理解し、意識的に身体を動かすことで、腰痛予防だけでなく、全身の健康維持にもつながるのです。

3. 立ち仕事で気をつけるポイント

立ち仕事に従事する人々にとって、腰痛は職業病のような存在です。販売員、調理師、美容師、看護師、警備員など、長時間立ったまま作業することが求められる職種では、腰への負担が蓄積しやすく、それを軽減するための工夫が欠かせません。

立ち仕事が腰に与える影響は主に「姿勢の固定」「重力による負荷の集中」「左右非対称な動作の反復」によって発生します。長時間の直立姿勢では、背筋・腰部・太もも・ふくらはぎなどの筋肉が緊張し続け、筋疲労が進行します。さらに、姿勢が崩れると骨盤の傾きや背骨のカーブが乱れ、腰部に局所的な負荷が集中するようになります。

特に気をつけたいのが「片足重心のクセ」です。左右どちらかに体重をかけた状態が長く続くと、骨盤の歪みや股関節のバランス崩壊を招き、結果として腰痛を悪化させる原因になります。また、前傾姿勢や中腰姿勢を繰り返すことで、腰の筋肉や椎間板に過度なストレスが加わり、慢性的な腰のだるさや鋭い痛みにつながります。

立ち仕事で腰痛を予防・軽減するためには、まず「姿勢の正しさ」を意識することが重要です。頭のてっぺんから糸で吊られているようなイメージで背筋を伸ばし、耳・肩・骨盤・く立ち仕事における腰痛は、避けられないものではありません。正しい知識と少しの工夫で、体への負担を減らし、快適な作業環境をつくることが可能になります。腰に優しい仕事の進め方を身につけることは、長く健康的に働くための大切な資産となるでしょう。

4. デスクワークと腰痛の深い関係

デスクワークは一見、体への負担が少ないように感じられますが、実は腰痛のリスクが非常に高い業務形態です。日本整形外科学会による調査でも、デスクワーカーの約70%が慢性的な腰の違和感や痛みを抱えているという報告があります。これは、日々の座り方や環境設定に潜む問題が腰部に深刻な影響を与えている証拠です。

座位姿勢では、上半身の重みが腰椎に直接かかるうえ、体幹の筋肉をあまり使わずに支えるため、腰周辺の筋肉に負担が集中します。特に、前傾姿勢でモニターに顔を近づけるクセがある人は、背中が丸まり、骨盤が後傾することで、自然なS字カーブが崩れて腰椎への圧力が増加します。この姿勢が1日8時間、週5日以上続けば、筋肉の緊張は常態化し、やがて椎間板ヘルニアや坐骨神経痛へとつながる可能性もあります。

デスクワークは避けられない仕事スタイルですが、工夫次第で腰痛のリスクを大きく下げることができます。まずは自身の環境を見直し、正しい姿勢と小まめな動きを意識することが、快適な作業環境と健康的な身体づくりへの第一歩です。

5. 整体でリセットされる体の状態

整体は、腰痛改善の手段として近年ますます注目を集めています。その理由は、単に「痛みを取る」だけでなく、全身のバランスを整えることで腰への負担を根本から減らすことができる点にあります。慢性的な腰痛に悩む人の多くが、姿勢の歪みや骨格のアンバランス、筋肉の偏った使い方によって症状を悪化させているケースが非常に多いのです。

整体では、骨盤や背骨の歪みを矯正し、筋肉の緊張を緩和することで、腰痛の原因にアプローチします。たとえば、長時間のデスクワークで骨盤が後ろに傾いている人の場合、腰椎の負担が増し、痛みの発生源となります。整体では、この骨盤の位置を正しい角度に戻すことで、体全体の重心が整い、腰への圧力が自然に軽減されていきます。

また、筋肉に対するアプローチも整体の大きな特長です。表層だけでなく、インナーマッスルや筋膜に働きかける施術によって、深部の緊張を解きほぐします。特に多裂筋や腰方形筋といった腰部の安定性を担う筋肉群に対して適切な刺激を与えることで、痛みの改善だけでなく再発予防にもつながります。

実際に、定期的に整体に通っている人の中には、腰痛が劇的に改善したという声も多く聞かれます。厚生労働省の調査によれば、腰痛に対して整体やカイロプラクティックの施術を受けた人のうち、およそ7割が「症状が軽減した」と答えています。もちろん、症状の重さや原因によって効果には個人差がありますが、体の使い方やクセを正すという意味で、非常に有効な手段と言えるでしょう。

整体を受ける際は、施術後の体の状態を意識的に維持する努力も必要です。正しい姿勢を心がける、ストレッチや筋トレを取り入れる、生活習慣を見直すなど、自身のケアも並行して行うことで、効果はより持続的になります。

腰痛に対して整体を取り入れることは、体を「リセットする」絶好の機会です。痛みの原因を外側から押さえ込むのではなく、内側から整えていくというアプローチが、長期的な改善と健康維持において非常に有効なのです。

6. 働き方別・腰痛対策アイテムの活用法

腰痛を予防・軽減するには、日常の動作や姿勢の見直しとともに、働き方に合ったサポートアイテムを活用することが効果的です。現代では職種ごとに最適化されたツールが数多く登場しており、正しく使えば腰への負担を大幅に軽減できます。

まず、デスクワーク中心の方には「腰用サポートクッション」や「人間工学に基づいたチェア」の導入が推奨されます。特に、腰椎のカーブにフィットするランバーサポート付きの椅子や、クッションは、自然な姿勢を長時間保つための大きな助けとなります。また、フットレストも下肢の血流改善に寄与し、骨盤の後傾を防ぐ効果が期待できます。

立ち仕事が多い人には「足元マット」や「インソール」が有効です。適度なクッション性のあるマットは、長時間の直立による足裏や腰への衝撃を吸収してくれます。特に、調理場や工場などで同じ場所に立ち続ける環境では、足元マットの有無が腰痛の発症率を大きく左右します。さらに、個々の足型に合ったオーダーメイドインソールは、全身のバランスを整え、体重の偏りを抑制します。

長距離運転が多い方には、腰を支える「ドライバー専用サポートクッション」や「車載用ストレッチグッズ」がおすすめです。背中と腰の間にクッションを挟むことで骨盤の安定性が向上し、振動による筋肉疲労も軽減されます。

在宅勤務者には、テレワーク専用のスタンディングデスクや昇降式デスクの導入が効果的です。座りっぱなしによる腰への圧迫を防ぎ、時には立って作業することで血流が促進され、腰痛の予防になります。また、足元を温めるヒーターや保温シートも、血行促進によって腰の筋肉の硬直を防ぐ助けになります。

アイテムを選ぶうえでのポイントは、自分のライフスタイルに合ったものを無理なく取り入れることです。高価な商品である必要はなく、継続的に使用できることが最も大切です。正しく使うことで効果を発揮するため、商品に付属する説明書や動画を参考にしたり、専門家のアドバイスを受けるのもよいでしょう。

働き方が多様化する今だからこそ、腰痛対策もパーソナライズ化が求められます。日常にアイテムをうまく取り入れることで、腰への負担を軽減し、快適な仕事環境を自分でつくっていくことが可能になります。

7. 在宅勤務での正しい姿勢とは?

在宅勤務の普及により、自宅で長時間パソコンに向かう機会が増えた現代。通勤の負担が減る一方で、腰痛を訴える人が急増しています。その大きな要因が「正しい姿勢が保たれていない作業環境」です。オフィスでは人間工学を意識した椅子やデスクが整備されていることが多いのに対し、在宅勤務ではダイニングチェアやソファ、時にはベッドの上で作業してしまうことも珍しくありません。これらの環境は腰にとって過酷で、慢性的な痛みを引き起こす原因となります。

正しい在宅勤務の姿勢を確保するためには、まず作業環境の見直しが重要です。理想的なのは、背もたれと座面にクッション性のあるオフィスチェアと、高さ調整が可能なデスクの組み合わせです。モニターは目線の高さに合わせて配置し、首を傾けなくても画面が見えるようにします。椅子に深く座り、背骨を自然なS字に保つことが基本となります。このとき、骨盤が立った状態であることが理想で、骨盤が後傾すると背中が丸まり、腰への負担が一気に増します。

また、ノートパソコンをそのまま膝の上やローテーブルで使うことは絶対に避けましょう。画面が下がりすぎるため首が前に出てしまい、腰や肩の筋肉が常に緊張します。スタンドを使ってモニターを目線に合わせ、外付けのキーボードとマウスを使用することで、手首や肩の負担も軽減できます。

姿勢維持のために有効なのが「フットレスト」の使用です。足元が安定すると、自然と上半身の姿勢も安定しやすくなります。また、椅子の高さが合っていない場合、膝や太ももが圧迫されて血流が悪化し、腰の筋肉への酸素供給も滞るため注意が必要です。

さらに、在宅勤務中は「座りっぱなし」が大敵です。理想は30分〜1時間ごとに立ち上がって軽いストレッチをすること。肩を回す、前屈する、腰をひねるなど簡単な動きで構いません。これにより筋肉の緊張がほぐれ、血流も促進されます。スマートフォンのアラームやタイマーを活用して、こまめな休憩を自動化するのも良い方法です。

照明や室温といった周辺環境も見直しましょう。薄暗い部屋で作業すると、無意識のうちに前かがみになってしまい、姿勢が悪化します。また、冷えは血流を悪化させ、筋肉の硬直を引き起こすため、腰を冷やさないようひざ掛けや腰用のカイロを使うことも効果的です。

在宅勤務では「誰も見ていない」ことが逆に問題となります。職場での緊張感がない分、姿勢が崩れやすく、それが習慣化すると腰へのダメージは蓄積されます。だからこそ、自分自身で意識的に姿勢と環境を管理することが、腰痛予防には欠かせないのです。

8. 通勤や移動時の体の使い方を見直そう

腰痛の原因として、仕事中の姿勢や作業内容だけでなく、「通勤」や「移動時の習慣」も見逃せない要素です。毎日のように繰り返される通勤は、知らず知らずのうちに腰へのストレスを蓄積させることがあります。電車やバスでの立ち方、車の乗り降り、カバンの持ち方など、日常のちょっとした癖が慢性的な腰痛につながるのです。

まず、公共交通機関での移動時には「立ち姿勢」がポイントとなります。車内では無意識にどちらか一方の足に体重をかけたり、つり革を片手だけで持つことで、体幹が左右どちらかに傾きやすくなります。この非対称な姿勢が続くと、骨盤や背骨が歪み、筋肉のバランスも崩れ、結果として腰への負担が増します。意識して両足に均等に体重を乗せ、背筋を伸ばすことが重要です。

座れる場合も油断は禁物です。脚を組む、背もたれに寄りかかりすぎる、スマートフォンを見ながら前かがみになるといった行為は、すべて腰にとっては悪い姿勢です。理想は、骨盤を立てて座り、膝と腰の高さがほぼ水平になるよう調整すること。また、座席の端ではなく、中央に座ることでバランスがとりやすくなります。

車での通勤や移動が多い人は、座席のポジションが極めて重要です。シートの背もたれが寝すぎていたり、座面が高すぎたりすると、骨盤が後傾しやすくなり、腰に余計な負担がかかります。座面を少し前傾させ、背もたれには適度な角度をつけて、腰をサポートするクッションを使用するのが理想です。また、長距離運転の場合は1時間ごとに休憩をとり、軽く歩いたりストレッチをして筋肉の緊張をほぐしましょう。

また、カバンの持ち方も腰痛の要因になります。片方の肩だけにバッグをかけていると、肩の高さに左右差が生じ、背骨や骨盤が歪みやすくなります。リュックタイプのバッグを両肩で背負う、荷物を軽量化する、荷重を均等にするなど、負担を分散させる工夫が必要です。

移動中は「スキマ時間」でありながら、実は腰にとっては負担のかかりやすい時間帯でもあります。だからこそ、移動の質を見直すことが、腰痛の予防に直結します。普段は意識しないような通勤動作も、一つ一つ丁寧に行うことで、腰への負担を大きく減らすことができるのです。

9. 短時間でもできるケア習慣の導入法

忙しい日々の中で、腰痛予防のために「何かした方がいい」と思いつつ、なかなか時間が取れないという声は少なくありません。しかし、腰痛対策は長時間のトレーニングや通院だけが解決策ではありません。実は、日常の中に数分ずつ取り入れられる「短時間ケア」が、腰痛の予防と改善に非常に効果的です。

まず取り入れやすいのが「朝のストレッチ」です。起床後すぐに行うことで、寝ている間に硬くなった筋肉や関節をやさしく動かし、血流を促進します。たとえば、仰向けに寝て片膝を胸に引き寄せるストレッチや、四つん這いになって背中を丸める「キャットアンドカウ」などは、わずか3分程度でも腰周りの緊張をほぐしてくれます。

日中には「椅子に座ったままのストレッチ」も有効です。デスクワーク中に1時間に1度、両手を上に伸ばして背筋を伸ばす、腰を左右にひねる、肩甲骨を寄せるといった軽い動作をするだけで、腰の血流が改善され、筋肉のこりが緩和されます。

また、入浴後の温まったタイミングを活用するのも効果的です。温熱により筋肉が緩んでいる状態で行うストレッチは、柔軟性が高まりやすく、疲労物質の排出も促されます。入浴そのものも、腰の緊張をほぐす天然のマッサージとなり、38〜40度のお湯に15分程度浸かるだけでもリラックス効果が期待できます。

さらに「ながらケア」の活用もおすすめです。テレビを見ながら、歯磨きをしながら、あるいは通勤の途中で骨盤を立てる姿勢を意識するなど、生活動作の中でこまめに体の使い方を調整するだけでも、蓄積する負担は大きく変わってきます。

寝る前には深呼吸をしながら横向きになって膝を軽く抱え、腰回りをリラックスさせるように意識します。スマートフォンを見ながらではなく、部屋の照明も落とし、神経系を鎮めることがポイントです。

このように、短時間でも継続できるケアを生活に取り入れることで、日々の腰へのダメージを最小限に抑えることができます。大切なのは「完璧を求めないこと」。1日たった数分でも、積み重ねることで腰の状態は大きく変わります。手軽で効果的な習慣を今日から始めてみましょう。

10. ライフスタイルを軸にした予防対策

腰痛の予防や改善には、一時的な対応だけでなく、日常生活そのものを見直すことが最も重要です。特に現代人は運動不足、長時間労働、睡眠の質の低下、食生活の乱れなど、腰痛を悪化させやすい生活環境に置かれています。だからこそ、ライフスタイルそのものを「腰にやさしい」方向へと整えていくことが、根本的な対策となります。

まず最初に見直すべきは「運動習慣」です。腰を支える筋肉は日々使われることで機能を維持し、正しい姿勢や動作をサポートしています。しかし、筋力が低下すると腰椎や椎間板に過剰な負荷がかかり、慢性的な腰痛の原因となります。とくにインナーマッスル(体幹)を意識的に鍛えることで、姿勢の安定性が高まり、腰への負担が軽減されます。スクワット、ブリッジ、プランクなどは短時間でも効果があるため、習慣化することが推奨されます。

次に重要なのが「睡眠環境の整備」です。質の高い睡眠は筋肉の疲労回復に不可欠であり、腰痛の緩和にも直接的な影響があります。柔らかすぎるマットレスや高すぎる枕は、腰や首への過度な圧力を生み、寝起きに痛みを感じる原因になります。理想的なのは、寝返りがしやすく、背骨の自然なS字カーブを保てるような中反発~やや硬めのマットレスと、肩から頭までしっかりと支える枕の組み合わせです。

食生活の見直しも忘れてはなりません。腰の健康に必要な栄養素としては、筋肉や軟骨の生成を助けるたんぱく質、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸、骨の形成に欠かせないカルシウム・ビタミンDなどが挙げられます。加工食品や糖質過多の食生活は炎症反応を促進させるため、できるだけ控え、バランスのとれた食事を意識することが大切です。

また、日々の「習慣のクセ」にも注目しましょう。たとえば、片足に体重をかけて立つクセ、座るときに脚を組むクセ、スマホを見るときに首が前に出るクセ。これらはすべて姿勢を歪め、腰への負荷を増加させる要因です。日常動作のなかで「まっすぐ立つ・座る」「骨盤を立てる」「頭の位置を意識する」など、正しい姿勢を常に意識するだけでも大きな変化をもたらします。

さらに、「ストレス管理」も腰痛予防に欠かせない視点です。ストレスは自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張や血流悪化を招きます。副交感神経を優位にするために、入浴や呼吸法、趣味の時間を取り入れることが精神的な緊張を解きほぐし、腰痛改善の効果を高めます。

そして、これらのすべてを支えるのが「定期的なセルフチェック」です。週に一度、鏡の前で姿勢をチェックする、簡単なストレッチで体の硬さを確認する、前屈や反らす動作で違和感の有無を確かめる。小さなサインを見逃さず、早期に対処することで重症化を防ぐことができます。

ライフスタイル全体を腰にやさしく整えることは、単なる痛みの軽減にとどまらず、健康寿命の延伸にも直結します。一度にすべてを変える必要はありません。できることから少しずつ取り入れ、自分の体に合った習慣として定着させていくことが、腰痛を遠ざけ、より快適な毎日へとつながるのです。

腰にやさしい毎日は、習慣の見直しから始まる

腰痛は「年齢のせい」「仕事のせい」と片づけられがちな症状ですが、実はその多くが日常の過ごし方、つまりライフスタイルの積み重ねによってつくられています。日々の姿勢、動作、習慣、そして心の持ちようが、知らぬ間に腰に影響を与えているのです。

今回の記事では、腰痛を引き起こしやすい働き方や生活習慣に注目し、環境ごとの対策や改善方法を10の視点から具体的にご紹介しました。立ち仕事、デスクワーク、在宅勤務、通勤中のクセ、さらには短時間のケアや食事・睡眠・運動といった生活全般にわたる情報を通じて、あなたの毎日が腰にとってやさしいものに変わるきっかけとなれば幸いです。

腰痛対策で重要なのは、難しいことを完璧にやろうとすることではありません。日常の中に「気づき」を取り入れ、ひとつひとつの行動を意識的に選び直すことが、何よりの予防策となります。体は正直です。悪い習慣が続けば痛みという形で教えてくれますし、良い習慣を積み重ねれば驚くほど素直に応えてくれます。

「少しずつ、でも確実に」これが腰と上手に付き合うための基本です。ライフスタイルを整えることで、腰痛に悩まない未来がぐっと近づいてきます。今この瞬間から、あなたの腰にやさしい一歩を始めてみませんか。

この記事を書いた人

立松 栄二

「整体サロンEX」院長 | 鍼灸師(国家資格)

立松 栄二

開院以来のべ12万人以上が来院する愛知県刈谷市の「整体サロンEX」院長。

元サッカーJ1トレーナーや元世界選手権帯同トレーナーなどの著名人も推薦する独自の技術で、身体の痛みやコリなどの不調を根本的な改善に導くため日々施術を行っている。

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施術家になった経緯や、どのような想いでこのブログを書いているかを語らせていただいています。