前回の記事では
坐骨神経痛の対策として簡単なストレッチや筋トレを紹介しましたが、
そもそも、どうして坐骨神経痛は痛むのでしょうか?
そこで今回は
について解説していきます。
●坐骨神経痛が痛む原因
坐骨神経痛とは、腰から足にかけて伸びている坐骨神経が
さまざまな原因によって圧迫や刺激をされることで痛みやしびれが出ることです。
痛みやしびれのほかにふくらはぎの張り、冷感やほてり、締めつけ感などがあることも。
脚の一部分だけに強く感じることもあれば、脚全体に強く感じる場合もあります。
坐骨神経痛の原因疾患として、年齢が若い場合は腰椎椎間板ヘルニアが多く、
高齢になると、腰部脊柱管狭窄が増えてきます。
どちらも腰椎に起こる異常によって神経根が圧迫され、
下半身に痛みやしびれを引き起こします。
坐骨神経は大きな神経なので身体のさまざまな部分の影響を受けやすく、
このほかにも腰椎すべり症や変性側弯症などの疾患、
腫瘍や血管の病気なども原因となるケースがあります。
原因となる疾患を特定し、適切な治療を受けることが重要です。
●坐骨神経痛の病院での治療
坐骨神経痛の治療法には「保存療法」と「手術療法」があります。
手術以外の治療方法を指す「保存療法」はさまざまな種類があり、
生活習慣やライフスタイルに合わせて行っていきます。
ここで代表的な5つの保存療法をご紹介します。
1)物理療法
温熱療法やマッサージ療法、低周波電気療法、赤外線やマイクロ波による治療、骨盤牽引
などが挙げられ、主に血行を良くし痛みをやわらげる治療法です。
2)運動療法
体操やストレッチにより筋肉の緊張を和らげ血流を良くし、痛みを改善する治療法です。
徐々に運動の負荷を増やすことで、下肢に筋力がつき腰椎への負担が減ります。
3)装具療法
コルセットなどで腰椎を支え、安定させる事で痛みを和らげる治療法です。
腹圧をあげ腰椎を固定し、良い姿勢を保つ効果がありますが、
長期間使用すると筋力が低下してしまう恐れがあるので、1ヶ月程度を目安に行います。
4)薬物療法
薬物療法は、薬を使って痛みを和らげる治療法です。
薬で疾患を治す事はできませんが、痛みが和らぐことで動きやすくなり、
平常時同様の活動がしやすくなって筋肉の低下を防ぐことが期待できます。
5)ブロック療法
局所麻酔や抗炎症剤を、神経やその周りに直接注入する治療法です。
痛みの伝達物質を一時的に遮断する事で強い痛みが緩和するだけでなく、
自律神経の緊張も和らぐため血流が良くなり、体内で作られた痛み物質の排出も促されます。
これらの保存療法で痛みが緩和されない場合、
日常生活に障害をきたすほど症状が強い場合、
早期に痛みを取りたい場合には、手術治療を検討するケースも。
どのような治療でいくのか担当医に相談してみましょう。
●痛くなったときに自分でできる対処法
日常生活から坐骨神経痛の悪化を防ぐにはライフスタイルの改善も重要。
日ごろからできる3箇条をご紹介します。
1)禁煙で血行改善
2)自分にあった靴を選ぶ
3)買い物袋やかばんはバランス良く持つ
痛みがあると何事もおっくうになってしまい、動かないことでさらに痛む……
といった悪循環になってしまうことも。
日常生活を快適に過ごせるように、小さなことに心掛けてみてはいかがでしょうか?
また、坐骨神経痛を改善するためにはストレッチもおすすめです。
坐骨神経痛は原因がさまざまですが、坐骨神経を圧迫しているという点は同じ。
まわりの筋肉を柔らかくすることで坐骨神経にかかるストレスが少なくなります。
ここでは、自宅でできる簡単な2つのストレッチをご紹介します。
◆お尻のストレッチ
1)足の裏がしっかりとつく高さの椅子に腰かけます。
2)あぐらをかくように片方の足だけ崩し、反対の太ももの上に足首を乗せるようにします。
3)あぐらをかいた方のすねに自分の胸を近づけるように股関節から身体を倒します。
4)あぐらをかいた方のお尻に伸びを感じたらストップ!20~30秒キープします。
◆太もも裏のストレッチ
1)両足をついて浅めに椅子に座り、片方の足だけ膝を伸ばして前方に置きます。
2)伸ばした方の足に両手をついて、その足の方へ股関節から身体を倒します。
3)伸ばしている方の足の足首はしっかりと反らすようにします。
4)伸ばした方の足の太もも裏の筋肉に伸びを感じたらストップ!20~30キープします。
ストレッチの姿勢を取るだけで痛みやしびれを感じた場合には
無理せずに中止し、担当医に診てもらうようにしてください。
●まとめ:坐骨神経痛で痛いときの対処法を教えます!
今回は坐骨神経痛の原因と治療、痛むときの対処法について解説しました。
ポイントは次の3つです。
・坐骨神経痛の原因疾患として、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄が挙げられる
・坐骨神経痛の治療は保存療法と手術療法があり、原因疾患や症状に応じて治療が行われる
・血流改善に気をつけたライフスタイルやエクササイズは、痛みの対処法として効果が期待できる
坐骨神経痛はそれ自体が疾患というわけではないので、
病院では原因となる疾患の治療を行います。
今回紹介したエクササイズも、担当医の先生に相談のうえ、無理なくトライしましょう!