肩こりは、仕事等で長時間パソコンに向かって同じ姿勢でいることや、運動不足などが原因だと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし実は、ストレスが原因で肩こりを引き起こしている場合もけっこう多いのです。
なぜストレスで肩こりになるのでしょうか?
今回は、
について解説していきます。
●ストレスを受けると体にどのような影響を及ぼすの?
仕事などでストレスを受けると、その影響から自律神経が乱れます。
自律神経とは、臓器や血液循環、呼吸、消化、体温調節など体のあらゆる活動を調節している神経のことを言います。
自律神経には、日中活動しているときに活発に働く「交感神経」と、夜寝るときに働く「副交感神経」の2種類があります。
この2種類がバランスよく働くことで生命を維持し、身体を健康に保っているのです。
ところが、過度のストレスがかかると、体が緊張状態に陥るため、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
すると常に交感神経が優位な状態が続き、副交感神経への切り替えがうまくできなくなってしまうのです。
このような自律神経の乱れは、体と心に様々な影響を及ぼします。
その例として、頭痛や肩こり、首こり、めまい、動悸、下痢、だるさ、胃腸不良、イライラ、うつ状態、不眠などがあげられます。
●ストレスと肩こりの関係について
ストレスは自律神経の乱れを引きおこし、身体的・精神的な影響を及ぼします。
そのひとつが肩こりです。
肩こりの原因として代表的なものが、同じ姿勢でいること。
デスクワークでパソコン作業を続けていたり、スマホを長時間触っていたりすることで首や肩まわりの筋肉がこわばり、血流が滞ってしまいます。
これが肩こりを引き起こすのですが、ストレスでも同じことが言えます。
ストレスによって自律神経のバランスが乱れることで、血流が悪くなってしまうのです。
なぜストレスを受けると血行不良を引きおこすのか、肩こりの仕組みについて以下で解説いたします。
●ストレスによって血管が縮み、肩こりや腰痛の原因になる
ストレスを受けると自律神経が乱れ、交感神経が優位に働くようになります。
交感神経には血管を収縮させる働きがあるので血行不良が生じ、また、筋肉が緊張した状態が続くため、疲労物質がたまりやすくなるのです。
血液の循環が悪くなると疲労物質や老廃物が運ばれず、蓄積してしまうので、さらに筋肉が硬くなり、血行不良を悪化させてしまいます。
このような、血行不良や筋肉の緊張にともなう疲労物質の蓄積という悪循環が、肩こりや腰痛を引き起こす原因となっているのです。
●肩こり解消の為の理想的なストレス解消法について
それでは、ストレスから来る肩こりを改善するにはどうすればよいのでしょうか?
大切なのは原因となっているストレスを解消すること。
ストレス解消にはさまざまな方法がありますが、その中でもおすすめなのが「運動」です。
なぜストレスによる肩こりの改善に運動が効果的なのか、それには2つの理由があります。
1.幸せホルモンを増やす
運動すると「幸せホルモン」と言われる「セロトニン」の分泌量が増加します。
セロトニンには、精神を安定させてポジティブな気分にさせたり、ストレスを軽減したりする効果があります。
2.血行促進
運動には、血行促進効果があります。
運動によって血流がよくなれば、疲労物質も蓄積しにくくなり、肩こりの改善も期待できます。
●日ごろのストレスを定期的に発散して肩こりなどを予防しよう
肩こりの予防には、原因のひとつであるストレスをためないようにすることが大切です。
そのためには、ストレスを感じたらこまめに発散するようにしましょう。
ストレスを発散する方法としては、次のようなものがあります。
手軽にできそうなストレス解消法を見つけておいて、ストレスが溜まってきたと感じたら早めに解消するとよいでしょう。
■適度な運動
運動はストレス軽減に役立つセロトニンの分泌を促し、血行を促進する効果があります。
おすすめは、ジョギングやウォーキング、サイクリング、スイミングなどの有酸素運動。
無理な運動はかえってストレスになりかねないので、自分のペースでできる運動を探してみるとよいでしょう。
■好きなことに没頭する
映画を観る、カラオケをする、お菓子作りや料理をする、散歩をする、友達とおしゃべりをする、音楽を聴く、絵を描く、ガーデニングなど、自分が好きなことや楽しいことをする時間を持ちましょう。
ワクワク、ドキドキ、楽しいと感じると、幸せホルモンが増えます。
■ゆっくりお風呂につかる
いつもシャワーで済ませる人も、たまには湯船にゆっくりつかると副交感神経が優位になり、ストレス解消に効果的です。
良い香りの入浴剤を使ったり、スーパー銭湯などを利用してみたりするのもおすすめ。
●肩こりはストレス以外にどのような原因が考えられる?
肩こりは、ストレスのほかにも次のような原因が考えられます。
■同じ姿勢を続けている
パソコンに向かうデスクワークやスマホ操作など、長時間同じ姿勢でいると、肩から首周辺に疲労物質がたまって筋肉が硬くなり、肩こりにつながります。
作業が長時間にわたる場合は適度に休憩をとりながら、肩や腕を回したり、首のストレッチを行ったりと、凝り固まった筋肉をほぐしましょう。
■運動不足
運動不足であまり体を動かさずにいると血流が悪くなるため、肩こりや首こり、腰痛などを引き起こしやすくなります。
ストレス解消もかねて、散歩やストレッチなどの軽い運動を取り入れてみることをおすすめします。
●まとめ:肩こりとストレスの関係について!ストレスは肩こりを引き起こす!?
ストレスは肩こりを引き起こす原因のひとつとなっています。
ストレスを受けると自律神経が乱れて血行不良が生じ、疲労物質や老廃物が蓄積したり、筋肉が硬くなったりするため、肩こりになるのです。
ストレスによる肩こりを改善するには、ストレス解消を図ることが大切。
運動は血行促進やストレス軽減効果のあるセロトニンを増やしてくれるため、ストレス解消として理想的です。
無理せずできるストレス解消法を見つけて、ストレスによる肩こりを上手に予防しましょう。